『佐藤 健』にハマってみた。

佐藤健ファン活備忘録

『いぬやしき』#3

 

原作ファンの息子が

私の視聴中の映画版『いぬやしき』をチラ見して

違和感があると言った。

気になったので、違いをチェック。

 

ただし、漫画を読むのはワタシ的にしんどいため

 原作の画を基にしているアニメ版で。

 

各話正味約20分×11話=220分。

映画より100分ほど長く

収まり切らなかった部分が補われ

“わかりみが深く”なった。

 

 

うちのコに限らず

原作ファン不評の第一原因は

「犬屋敷がイメージと違う。もっとジジ臭い」

という点にあるようだ。

ノリさんもいい歳だけど、“老け”が足りない。

 

彼は器用な役者さんなのだが…

この作品に意欲的に取り組んでいるせいか

物語の大前提となる犬屋敷の

しょぼくれて精気が底を尽きてる感が無い。

そこが彼らの拒否反応を呼び起こすらしい。

 

 

一方、健くん演じる獅子神は

原作の人物像をより鋭角化していて

「なるほど、そういう解釈か!」と納得がいく。

 

ビジュアル的にもツボにはまっているらしく

オリジナルと比べて「大丈夫」だそう。

 

ってか、

あの年齢で高校生役ができちゃうってスゴイ。

この前後に8年越しの交際を経て結婚する男や

3千万円の借金を抱える小学生の子持ち男を

撮っていたのかと思うと、その振れ幅に驚く。

 

 

 

アニメ版を確認して良かったのは

映画では唐突過ぎて「?」だった:

・2人が機械の身体にされてしまった経緯

・病気を治せる能力があると自覚するまで、

 それを人助けに役立て始めるまで

がそれぞれちゃんと描かれていること。

 

尺の関係でやむを得ないとは言え

初見の映画の観客が置いてけぼりを

喰らう部分に説明がつく。

 

獅子神晧に言及すると:

・「こんな身体になってしまった」という動揺と

 それを受け入れるしかない現実とで

 葛藤する高校生像

(人生経験の豊富な中年男との対比)

・しおんの懇願に応じ、人殺しをやめ

 罪滅ぼしとして他人の病気を治すことに

 やりがいを見出していく時期もあった

(犬屋敷と同等に善のヒーローを目指した)

…等がアニメ版には描かれていて

 

生まれつきの極悪冷血人間ではない、

堕ちていく理由があったのだ、と

観ている側が共感できるようになっている。

 

 

 

映画版との最大の違いは結末。

オリジナルは

自爆で地球を救うで終わる。

 

直行は、殺人マシーンと化した元親友を拒絶し

最後まで犬屋敷側についたが

その絶望の中にあっても

獅子神は彼の命を救うため

自己犠牲を払うことも厭わない。

 

この最大の贖罪を目撃することで

観客もカタルシスを得る。

 

 ただし、原作と実写版の違い

―主人公たちが生き残るか否か―

つまり華々しく散るか、今後に期待を持たせるか

が、いずれにしても“救い”のある終わり方なので

意外とどちらもアリと思った。

 

 

アニメ版にツッコミを入れるとしたら

獅子神役の声優さんが棒読みで辛い。

キャラ的に感情を抑え気味にするにしても

ちょっとどうかと。

(つい比べてしまうたけるんヲタw)

 

対して、直行役がやたら上手いと思ったら、

実写版でも同役を演じた本郷奏多くんだった。

流石です。

 

それから、涙の出方が汚くてゲッソリ(笑)

いちいち鼻水もだくだく出るのがグロ過ぎる。

 戦闘シーン・殺戮シーンも含め

2Dの方が視覚的に気持ち悪いとは…!

(コミック版もそうなの???)

 

ということで

画ヅラは断然映画に軍配。